大判例

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東京地方裁判所 昭和42年(ワ)5755号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

〔判決理由〕一、被告ヤナセK・K・に対する請求について

被告ヤナセK・K・については左の事実から原告の主張する責任原因は認められないのでその余の判断をまつまでもなく本訴請求は失当である。

すなわち、本件事故車の登録上の名義は事故当時も被告ヤナセK・K・のものであつたが、同被告主張のとおりすでに昭和四〇年七月末頃訴外山梨謙蔵が家族で共用するため代金一二〇万円即金支払で買受け、受渡を完了して実質的な所有権の移転が行われていた。そして右訴外人が購入資金の出所を税務関係上秘したいために被告会社に要請して登録名義の移転を後日にのばしていたものである。その後訴外人は昭和四一年一二月頃新車を買うために被告西欧K・K・に下取車として売却したもので、その間登録名義はそのままに放置されていたが、その後の事故車をめぐるいきさつについて被告ヤナセK・K・は何ら関知せず、何らかの権原を有するの意思も全くなかつた。そして事故車に関する強制保険も被告ヤナセK・K・の名義を使つて訴外人が実質的に契約、保険料を支払つていた。

右認定事実からすると、被告ヤナセK・K・の登録名義は所謂「名義残り」として同社の販売政策(買受人の運行、営業に関連する)などであればともかく、本件の場合は全く同社の意図によらない訴外山梨の恣意に出た税務対策上の要請により運行支配、管理ないし利益とは何らの関連なく放置されたものであつて、事故当時被告ヤナセは全く運行供用者の地位を有しなかつたもので、自賠法三条の責任を負うべくもない。<中略>

(編注)原告健の傷害の内容

右第三、四、五肋骨骨折、右膝蓋骨骨折治療状況

原告健は前後合計五八日間入院し、受傷から治癒までに九七日間を要した。

五、原告和子の慰藉料請求について

原告健の本件受傷の程度では近親者である妻としての慰藉料請求権は認めがたい。従つて原告和子の慰藉料は認められない。(最高判昭和四二年六月一三日、同昭和四三年九月一九日、参照)(舟本信光)

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